IT導入補助金2024

IT補助金2024

IT導入補助金はデジタル化を促進し、中小企業の競争力強化を支援する注目度の高い制度です。
この補助金をうまく活用することで、中小企業や個人事業主の皆さまは経済的負担を軽減しつつ、業務効率化や人手不足の解消、顧客サービスの向上を実現できるかもしれません。

本記事ではIT補助金を活用して導入できるツールや、飲食店や美容サロン、ホテルなどの宿泊施設での導入事例、IT補助金を活用するメリットなどを分かりやすく解説していきます。

IT導入補助金の概要について

IT導入補助金の概要について

IT導入補助金は、経済産業省中小企業庁が実施する飲食店・美容室・小売業などの店舗経営者を含む中小企業・小規模事業者向けの補助金制度です。
この制度は、ソフトウェアなどのITツールの導入を支援し、業務効率化や生産性の向上、競争力の強化を目的にこれらの導入費用の一部が補助されるものです。

IT導入補助金2024には、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型と電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠の5つの申請枠があります。

補助対象はソフトウェアの購入費用やクラウド利用料、システム導入関連費用、一部のハードウェア購入費用、セキュリティ対策サービスの利用料などが挙げられます。

ハードウェアの購入費用が補助されるのはインボイス枠(インボイス対応類型)となっており、飲食店などでPOSレジやセルフオーダーシステム、セルフレジなどを導入予定の方に最も親和性の高い申請枠になっています。 

IT導入補助金2024の補助上限額は、複数社連携IT導入枠が最大3,000万円、他の申請枠の補助上限では最大450万円となります。

IT導入補助金を活用して導入できるITツール

ここからは主に飲食店・美容室・ホテルなどの業種で、IT導入補助金を活用して導入できるサービスをご紹介していきます。

なおインボイス枠のインボイス対応類型では、ソフトウェアだけでなくPC・タブレット・POSレジ・券売機等のハードウェアも補助対象となっています。

IT導入補助金を活用して導入できるITツール

POSシステム

POSシステムは、商品の販売データをリアルタイムで記録・管理するシステムで、売上管理機能やレジ機能などを備えたハードウェアやアプリケーションの総称です。

最近はタブレットやiPadにPOSレジアプリをインストールして使用でき、キャッシュレス決済にも対応しているスマレジやAirレジ、USENレジなどのクラウド型のPOSレジが主流となっています。

クラウド型POSレジを導入する際には、ソフトウェアであるPOSレジアプリの導入費とハードウェアであるタブレットやiPadが補助対象経費となります。

在庫管理システム

在庫管理システムは、商品や備品の在庫状況や入出庫情報の記録や集計が行え、発注漏れや過剰在庫などを防ぐことができるものです。

飲食店や小売店では需要予測が立てやすくなりロスの少ない在庫管理の実現や、棚卸の負担軽減による人件費の削減も期待できます。

初めて在庫管理システムを導入するなら、スマホで簡単に在庫管理ができるロジクラやzaicoなどのクラウド型がおすすめです。

予約管理システム

予約管理システムは、予約の受付や変更、事前連絡、顧客管理による集客・マーケティングなどに活用できます。

様々な業種に対応できる汎用的なものから、特定の業種に特化したものまで様々なサービスが提供されています。

代表的なサービスでは、業種を問わず利用しやすいAirリザーブやSquare予約、ホテルや旅館などの宿泊施設に特化した予約番などの予約システムがあります。

オーダーシステム

飲食店でのセルフオーダーシステムの導入でも、IT補助金が活用できます。

客席に配置したタブレット端末からオーダーするテーブルオーダーや、来店客のスマホからオーダーするモバイルオーダーなど、導入することで人的ミスやオーダーの機会損失、人件費の削減にも繋がります。

こちらはPOSシステムと連携していることも多く、スマレジやAirレジ、USENレジなどでも導入が可能です。

IT導入補助金を活用するメリット

ここまでIT導入補助金を活用して導入できるITツールについてご紹介しました。

本補助金を活用することで、事業者は最小限の自己負担でITツールを導入し、業務効率化や生産性向上を図ることができます。

業務の効率化が実現できると、従業員のスキルアップやサービスの向上にもつながり、それが顧客満足度や新規顧客の獲得にもつながっていきます。

ここではIT導入補助金を活用して得られる、業種ごとの具体的なメリットについて説明していきます。

業務の効率化、省人化、売上アップ

業務の効率化、省人化、売上アップ

【飲食店の場合】

  • セルフオーダーシステムの導入で厨房スタッフへの伝達の迅速化と人的ミスの削減、ホールスタッフの削減もでき人手不足解消にも効果的
  • AIを活用したシフト管理システムで、効率的にシフト表を作成
  • 在庫管理システムで食品ロスを削減し新鮮な食材を提供可能に

【美容室の場合】

  • オンライン予約システムの導入で電話対応時間を削減し、顧客対応に集中可能に
  • ITツールを活用し施術以外の対応時間を削減することで、スキルアップに時間が割ける

【ホテルの場合】

  • 事前決済システムの導入で無断キャンセル対策に
  • チェックイン/チェックアウト自動化システムによるフロント業務の効率化

顧客満足度の向上、新規顧客の獲得

顧客満足度の向上、新規顧客の獲得

【飲食店の場合】

  • デジタルメニューの活用で、アレルギー情報や栄養成分の詳細な表示が可能に
  • オンライン予約システムの導入により、予約のハードルを下げ、新規顧客の取り込みも可能に

【美容室の場合】

  • オンラインカウンセリングシステムの導入で、来店前の不安を解消
  • インフルエンサーマーケティングツールを活用し、SNSでの露出を増加
  • ヘアスタイルシミュレーションで顧客満足度の向上

【ホテルの場合】

  • AIコンシェルジュサービスで、24時間お待たせすることなくお客様対応が可能に
  • 多言語対応チャットボットの導入により、海外からの予約問い合わせにも迅速に対応

IT導入補助金の申請要件や申請時の注意点は?

IT導入補助金の申請要件や申請時の注意点は?

IT導入補助金は飲食店、美容室、宿泊施設などで活用しやすい制度です。

他にも製品の製造、サービス提供などの事業をを行っている中小企業や小規模事業者が、生産性向上を目的にITツールの導入を行う場合も申請が可能です。
申請にあたっては、いくつかの要件を満たす必要があります。

まず企業規模は一部の申請枠を除き、中小企業や小規模事業者に限定され、大企業は対象外となります。

またITツールやサービスの導入目的は、生産性の向上やコスト削減など経営課題の解決に役立つものに限定され、設備投資目的ではなく明確な経営改善につながるものである必要があります。

他にも事業場内最低賃金を地域別最低賃金よりも30円以上高い水準にすることや、3年間の事業計画期間に給与支給総額を年平均成長率1.5%以上向上させるなど、従業員の待遇改善も必要となります。

細かな要件については申請枠によって異なりますので、公募要領を事前に確認するようにしましょう。

導入するITツールは、IT導入補助金事務局より採択を受けているIT導入支援事業者より提供されるもののみが補助の対象となり、それ以外の事業者から提供されるサービスは交付の対象とはなりません。
また交付決定前にITツールの発注・契約・支払いを行った場合も、補助金の交付対象外となりますので注意が必要です。

導入予定のサービスが補助金対象か、またベンダーがIT導入支援事業者の登録を行っているかなどの事前確認をおこないましょう。

交付申請はIT導入支援事業者と共同で行います。
申請の際に必要な事業計画書の作成もIT導入支援事業者と商談を進めながら行うことになりますので、IT導入補助金を活用し「自社が何をしたいのか」を明確にし、導入するツールと自社の事業改革にミスマッチが起こらないようにしましょう。

IT導入補助金2024 交付規程・公募要領はこちら

業種ごとに紹介!IT導入補助金の活用事例

ITツールで省人化や効率化が図れるIT導入補助金。
具体的にどのような導入事例があるのでしょうか。

ここからは飲食店、美容室、宿泊施設の具体的な活用事例をご紹介します。

複数社連携IT導入類枠は他の申請枠との同時申請はできませんが、通常枠とインボイス枠、セキュリティ対策推進枠は同時申請が可能です。

導入するITツールごとに申請可能な枠が異なりますので、どのような経営課題があり、どのようなツールの導入が効果的かをしっかり見極め選定するようにしましょう。

なおインボイス枠なら導入するソフトウェアに関連する機器も補助の対象です。

【事例①】【インボイス枠(インボイス対応類型)】飲食店の導入事例

【事例①】【インボイス枠(インボイス対応類型)】飲食店の導入事例
  • 導入サービス:スマレジ フードビジネスプラン

本事例では、モバイルオーダーの導入で人件費削減と注文から提供までの迅速化を実現。

更にPOSシステムの導入で、レジでのヒューマンエラーが無くなりレジ締め作業の時間の大幅短縮にも繋がりました。

インボイス枠での申請で本来なら80万円以上かかる費用が、補助金の活用で約1/3の費用で導入することができます。

対象経費 費用 補助額 実質負担額
ソフトウェア(フードビジネスプラン利用料2年分) 26万円 19.5万円 6.5万円
ソフトウェア(モバイルオーダー、キッチンモニターアプリ利用料2年分) 40万円 30万円 10万円
ハードウェア(レジセット) 20万円 10万円 10万円
合計 86万円 59.5万円 26.5万円

※中小企業(ソフトウェア補助率3/4、ハードウェア補助率1/2)の場合

【事例②】【インボイス枠(インボイス対応類型)】美容室の導入事例

【事例②】【インボイス枠(インボイス対応類型)】美容室の導入事例
  • 導入サービス:Square 予約 プラスプラン

美容室の運営はITツールで業務の効率化や集客力の強化が期待できます。

本事例では予約管理システム、POSシステム、電子マネー対応のキャッシュレス決済を導入。

経営側のメリットだけでなく、顧客の利便性にも配慮したことで顧客満足度も向上する結果となりました。

対象経費 費用 補助額 実質負担額
ソフトウェア(プラスプラン利用料2年分) 7.2万円 5.8万円 1.4万円
ハードウェア(レジスター、ターミナル、スタンド) 12万円 6万円 6万円
ハードウェア(iPad) 20万円 10万円 10万円
合計 39.2万円 21.8万円 17.4万円

※小規模事業者(ソフトウェア補助率4/5、ハードウェア補助率1/2)の場合

【事例③】【インボイス枠(インボイス対応類型)】【通常枠】旅館の導入事例

【事例③】【インボイス枠(インボイス対応類型)】【通常枠】旅館の導入事例
  • 導入サービス:陣屋コネクト ゴールドサポートプラン【インボイス枠(インボイス対応類型)】
  • 導入サービス:手間いらず (TEMAIRAZU)miniプラン【通常枠】

ホテルや旅館、民宿、ペンションなどの宿泊業はサイトコントローラーの導入やホテル管理システム(PMS)の導入で効率化や人的ミスの削減が図れます。

集客のために複数の予約サイトに掲載してもオーバーブッキングが発生しては、サービスの質の低下だけでなく、追加で発生する顧客対応にかかる人件費や従業員の精神的な負担の懸念もあります。

合計150万円以上の補助金交付を受け、インボイス枠でクラウド型のホテル管理システムとハードウェアを、通常枠でサイトコントローラーの導入を行い、サービス向上と共に働きやすい環境をづくりを実現した事例をご紹介します。

対象経費 費用 補助額 実質負担額
【インボイス枠】ソフトウェア、オプション、役務(導入費、ライセンス費、サポート費) 150万円 108万円 42万円
【インボイス枠】ハードウェア(iPad、パソコン) 30万円 10万円 20万円
【インボイス枠】ハードウェア(レジスター、ターミナル) 25万円 12.5万円 12.5万円
【通常枠】ソフトウェア購入費、利用料2年分 44万円 22万円 22万円
合計 249万円 152.5万円 96.5万円

※インボイス枠は、小規模事業者(ソフトウェア補助率4/5、ハードウェア補助率1/2)の場合

※クラウド利用料は最大2年分が補助対象となります。
※上記事例は一例です。正確な費用はIT導入支援事業者へご確認ください。

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【まとめ】IT導入補助金の交付を受けるために重要なポイントは?

【まとめ】IT導入補助金の交付を受けるために重要なポイントは?

今回はIT導入補助金でどのようなツールを導入できるのかや、具体的な活用事例をご紹介しました。

近年、働き方改革やインボイス制度の導入により、システム環境の改修や新規導入のニーズが高まっています。
IT導入補助金で事業のDX化が図れれば、業務プロセスの改善だけでなく、自己負担を最小限に抑えて新たなビジネスモデルを展開することも可能です。

ただし審査を通過するには事業計画が明確であることや、導入するITツールの具体的な活用方法、それにより期待される効果を数値等で示し説得力のある事業計画を策定する必要があります。

そのためには本補助金の目的である生産性向上や業務効率化にどのように貢献するのか、デジタル化推進にどう結びつくのかなど、矛盾のない具体的なビジョンを立てるようにしましょう。

店舗の開業時以外に新たなITツール導入をおこなう場合、店舗のレイアウト変更が必要になる場合もあります。
ITツールなどの新規設備導入を検討されている方は、改装やリフォームも検討してみてはいかがでしょうか。

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