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店舗のリフォームには、設備や動線の改善による働きやすい環境作り、顧客満足度の向上、新規顧客の獲得など様々なメリットがあります。
しかし建築資材が高騰している昨今、店舗リフォームを検討する際に最も気になるポイントの一つが費用ではないでしょうか。
本記事では、店舗の改装を検討されている事業者の皆様向けに、店舗のリニューアルや設備導入時に活用できる補助金や助成金についてご紹介します。
改装にかかるコストを少しでも抑えたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店や美容室などの店舗改装や設備導入に活用できる補助金・助成金5選

1. 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、商工会議所地区小規模事業者持続化補助金事務局が実施する小規模事業者等の取り組みを支援する補助金で、 小規模事業者が自社の経営を見直し、持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。
小規模事業者持続化補助金2025の概要
2025年の小規模事業者持続化補助金の支援類型の概要をご紹介します。
申請枠の見直しが行われ、2024年までの「卒業枠」「後継者支援枠」が廃止された代わりに「共同・協業型」「ビジネスコミュニティ型」などが新設されました。
引用元:中小企業庁 中小企業対策関連予算 令和6年度補正予算・令和7年度当初予算関連 持続化補助金の概要(PDF)
それぞれの枠の補助率や補助上限額は以下のようになっています。
一般型:通常枠
経営計画を作成し販路開拓等に取り組む小規模事業者が対象です。
補助上限:最大50万円
※インボイス特例・賃金引き上げ特例で最大250万円
補助率:2/3
※賃金引上げ特例を選択した事業者のうち、赤字事業者は3/4
対象経費: 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、 資料購入費、借料 、設備処分費 、委託・外注費
特例の要件について
インボイス特例:免税事業者からインボイス発行事業者に転換した事業者
賃金引上げ特例:事業場内最低賃金を50円以上引き上げる小規模事業者
創業型
産競法に基づく「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者が対象です。
補助上限:最大200万円
※インボイス特例で最大250万円
補助率:2/3
対象経費: 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、 資料購入費、借料 、設備処分費 、委託・外注費
共同・協業型 新設
地域に根付いた企業の販路開拓を支援する機関が地域振興等機関となり、参画事業者である10以上の小規模事業者の販路開拓を支援する枠です。
補助上限:最大5,000万円
補助率:参画事業者:2/3、地域振興等機関:定額
対象経費: 地域振興等機関…人件費、委員等謝金、旅費、会議費、消耗品・備品費、通信運搬費、印刷製本費、雑役務費、委託・外注費、水道光熱費
参画事業者…旅費、借料、設営・設計費、展示会等出展費、保険料、広報費
ビジネスコミュニティ型 新設
商工会・商工会議所の内部組織等(青年部、女性部等)を対象として支援する枠です。
補助上限:最大50万円
※共同で実施する場合は最大100万円
補助率:定額
対象経費: 専門家謝金、専門家旅費、旅費、資料作成費、借料、雑役務費、広報費、委託費
小規模事業者持続化補助金の対象事業者
小規模事業者持続化補助金の主な対象事業者は、以下に該当する小規模事業者です。
業種 | 常時使用する従業員 |
---|---|
商業・サービス業 | 5人以下 |
製造業等 | 20人以下 |
宿泊業及び娯楽業 | 20人以下 |
小規模事業者持続化補助金2025の公募スケジュール
2025年度の第17回は、2025年5月1日頃(予定)と発表されています。
小規模事業者持続化補助金 公式サイトはこちら
中小企業庁 中小企業対策関連予算 令和6年度補正予算・令和7年度当初予算関連 持続化補助金の概要(PDF)
2. 中小企業新事業進出補助金(旧:事業再構築補助金)
2024年まで設けられていた事業再構築補助金の後継として作られたのが中小企業新事業進出補助金です。
既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援します。
中小企業新事業進出補助金の概要
中小企業新事業進出補助金は、企業の成長・拡大に向けて中小企業が既存とは異なる新しい領域の事業へ進出する際の設備投資などを支援する補助金です。
引用元:中小企業庁 中小企業新事業進出補助金リーフレット(PDF)
中小企業新事業進出補助金の補助対象者
企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等
中小企業新事業進出補助金の補助対象要件
企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦※を行い、以下の基本要件を全て満たす3~5年の事業計画に取り組むこと。
※事業者にとって新製品/サービスを新規顧客に提供する新しい挑戦であること)
- 付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加
- 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加
- 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上の水準
- 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表
中小企業新事業進出補助金の補助上限額と補助率
補助上限額: 従業員数に応じて2,500万円~7,000万円
※大幅賃上げ特例適用時は最大9,000万円
※補助下限750万円
補助率:1/2
補助上限は、以下の表の通りです。
()内は大幅賃上げ特例達成時
従業員数 | 補助上限額 |
---|---|
20人以下 | 2,500万円(3,000万円) |
21~50人 | 4,000万円(5,000万円) |
51~100人 | 5,500万円(7,000万円) |
101人以上 | 7,000万円(9,000万円) |
中小企業新事業進出補助金の補助対象経費
建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費
中小企業新事業進出補助金の公募スケジュール
令和7年度の中小企業新事業進出補助金の申請開始時期や締め切りなどのスケジュールは、現時点では公表されていません。
3. 業務改善助成金
業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者の最低賃金引き上げと生産性向上を支援する制度です。
業務改善助成金の概要
令和7年度(2025年)では、生産性向上に関する設備投資などを実施して業務改善を行うとともに、 事業場内の最低賃金を一定額以上に引き上げる中小企業・小規模事業者に対して、業務改善にかかった経費の一部を助成します。
引用元:令和7年度 厚生労働省予算概算要求の主要事項(PDF)
業務改善助成金の助成率について
令和7年度から、最低賃金別の助成率区分が以下のように変更されます。
最低賃金が1,000円未満の場合:助成率は5分の4
最低賃金が1,000円以上の場合:助成率は4分の3
業務改善助成金の対象事業場
事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内である事業場が対象となります。
業務改善助成金の公募スケジュール
令和7年度の業務改善助成金の申請開始時期や締め切りなどのスケジュールは、現時点では公表されていません。
省力化補助金
省力化補助金は、中小企業の生産性向上と人手不足解消を目的とした国の支援制度です。
人手不足を補うロボットやIoTなどの省力化技術を導入する経費を補助することで、生産性や売上の向上を狙い、賃上げを後押しするための補助金です。
2025年度は予算規模が3000億円に拡大され、より多くの事業者が恩恵を受けられるようになりました。
省力化補助金の概要
引用元:中小企業庁中小企業省力化投資補助事業(PDF)
2025年度からの主な変更点として、申請方法が「カタログ注文型」と「一般型」の2つに分かれました。
カタログ注文型では、飲食店や美容院で導入しやすい清掃ロボットや自動精算機など、すぐに導入できる省力化製品が用意されています。
製造業などが主な対象となる一般型では、最大1億円の補助金を活用により大規模な設備投資も可能です。
省力化補助金の対象について
補助対象は「人手不足の状態にある中小企業」となります。
- 人手不足の状態(要証明)にある中小企業
- 補助事業終了後3年以内に、従業員1人あたりの「付加価値額」を年率平均3%以上アップさせる事業計画を策定し取り組むこと
- ただし、他の補助金や制度との重複がある場合、交付対象外となります。
詳しくは公募要領4-1をご確認ください。
中小企業省力化投資補助金 公募要領
飲食店や美容院で導入できる省力化製品の例
飲食店向けであれば、人や障害物を避けながら料理や飲み物を運び、店内業務の効率化を促進する配膳ロボット、注文から支払いまでのプロセスを自動化してスタッフの負担を軽減する券売機、自動精算機、その他清掃ロボット、スチームコンベクションオーブンなどが対象とされています。
美容院は「生活関連サービス業」に分類されており、対象は清掃ロボット、自動精算機、券売機の3つです。
床面を自動で清掃しスタッフの清掃作業時間を削減できる清掃ロボットや、会計業務を効率化してスタッフが施術に集中できる自動精算機が導入しやすいのではないでしょうか。
補助の対象として登録された省力化製品カタログと、業種の分類表は以下から確認できます。
製品カタログ | 中小企業省力化投資補助金 公式サイト
省力化補助金の補助率及び補助上限額
カタログ注文型
飲食店や美容院などのサービス業のオーナー様は主にこちらが対象です。
補助上限:従業員数により異なります
5人以下…200万円(300万円)
6~20人…500万円(750万円)
21人以上…1,000万円(1,500万円)
※()内は大幅賃上げを行う場合
補助率:1/2
一般型 2025年新設
補助上限:最大8,000万円(1億円)
※従業員数によって異なります。
※()内は大幅賃上げを行う場合
補助率:1/2、小規模・再生事業者:2/3
※補助金額1,500万円までは1/2もしくは2/3、1,500万円を超える部分は1/3
※最低賃金引上げ特例:補助率を2/3に引上げ(小規模・再生事業者は除く)
省力化補助金の公募スケジュール
2024年6月25日(火)~ 応募・交付申請は随時受付です。
採択・交付決定は申請から概ね1~2ヶ月程度が予定されています。
5. 働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金は、中小企業・小規模事業者が職場環境の改善や労働時間の短縮などの働き方改革に取り組む際に利用できる制度です。生産性向上と労働時間縮減を両立させることを目的としています。
働き方改革推進支援助成金の概要
令和7年度では70億円の概算要求が出ており、コース共通の賃上げ加算についても見直しが行われています。
賃上げ率3%・5%に加えて、7%の賃上げが実現した場合に最大360万円の上限額が加算されるなど、助成が強化されるようです。
引用元:令和7年度厚生労働省予算概算要求 持続的・構造的な賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進(PDF)
働き方改革推進支援助成金の公募スケジュール
令和7年度の働き方改革推進支援助成金の申請開始時期や締め切りなどのスケジュールは、現時点では公表されていません。
補助金と助成金の違いや注意点
補助金は主に国や自治体などが公益につながる事業の促進や、雇用の安定などに必要な資金を補助するためのものです。
あらかじめ予算が決まっているため、審査で採択された場合にのみ給付を受けることができます。
助成金は、労働環境改善や雇用対策を目的として主に国や自治体などから支払われ、要件を満たしていれば受給できる可能性が高いものです。
ただし助成金という名称であっても、補助金に近い性質のものもありますので名称だけで判断しないように注意しましょう。
助成金は補助金に比べ受給できる可能性は高いですが、定められた要件を満たしている必要があります。募集要件は事前にしっかり確認して申請しましょう。
また、補助金・助成金共に申請し支給されるまでに数ヶ月から1年以上の時間がかかりますので、その点を考慮した事業計画が必要になります。
店舗リフォームに使用できる各地域の補助金・助成金
ここまで経済産業省や厚生労働省が実施する補助金・助成金をご紹介しましたが、ここからは各自治体が独自に実施しているものをご紹介します。
補助金や助成金は併用ができる場合とできない場合があります。国が実施するものと併用をお考えの場合は、事前に公募要領を確認し必要であれば実施主体や専門家に相談するようにしましょう。
【東京都】開業助成金
東京都内の商店街で新規店舗の開業支援をを行い商店街の活性化を図ることを目的とした助成金で、店舗リフォームなどの工事費の一部が助成されますので、初期費用の負担軽減が期待できます。
開業助成金は2つの助成事業に分かれており、「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」は申請区分が新規開業に限られますが、採択されれば店舗新装・改装工事費、設備・備品購入費が最大400万円まで助成されます。
「商店街起業・継承支援事業」は新規開業以外に事業継承なども助成の対象となり、対象者も性別や年齢を問わず申請が可能で店舗新装・改装工事費、設備・備品購入費が最大250万円まで助成されます。
共に店舗リフォーム費や購入費以外に店舗の賃借料も一定期間助成され最大で844万円までと助成額が大きいことが特徴です。
都内の商店街で大規模な店舗改装工事や設備の入れ替えが必要となる場合にぜひ活用したい助成金です。
【東京都】開業助成金のスケジュール
【第1回】令和7年8月1日以降開業の方: 申請書類提出期間 4月7日~4月28日
【第2回】令和7年11月1日以降開業の方: 申請書類提出期間 6月23日~7月14日
【第3回】令和8年2月1日以降開業の方: 申請書類提出期間 9月18日~10月9日
【神奈川県横浜市】小規模事業者店舗改修助成事業
各地の助成金では新規開業時のみ対象となる支援が多い中、神奈川県横浜市の小規模事業者店舗改修助成事業は、横浜市内で事業を営む小規模事業者を対象に、改修により業務改善が見込まれる店舗等の改修費用の一部を補助するものです。
対象となる改修内容の一例は、「高齢者の来店を促すためのバリアフリー工事」、「テイクアウト用の窓口の設置」などで、 リフォーム費用以外に飲食店の厨房機器や美容室の据置備品なども業務改善が見込まれると判断されれば助成対象経費となります。
補助率は2分の1、補助限度額は20万円となります。
【神奈川県横浜市】小規模事業者店舗改修助成事業のスケジュール
令和6年度の受付は終了しました。
令和7年度の募集については現時点では未定です。
【愛知県名古屋市】令和7年度名古屋市スタートアップ企業支援補助金
令和7年度名古屋市スタートアップ企業支援補助金は、名古屋市内で新規で創業する方や、名古屋市に本社等を持つ創業後5年以内の中小企業が新たな取り組みに挑戦する場合を対象に、補助対象経費の3分の1(最大100万円まで)を助成する制度です。
店舗の外装工事や内装工事の費用・店内機器の購入費用以外に業務用車両の購入費用やリース費用も補助対象となっており、宅配用の車両やキッチンカー、送迎車なども補助対象となる飲食店の開業やリフォームに活用しやすい補助金です。
【愛知県名古屋市】令和7年度名古屋市スタートアップ企業支援補助金のスケジュール
令和7年度の第1期募集について
令和7年4月10日(木曜日)から令和7年5月12日(月曜日)募集期間最終日の午後5時必着
【福岡県】福岡よかとこ起業支援金
福岡よかとこ起業支援金は、地域課題の解決を目的として福岡県内で新規開業・事業継承や第二創業など新たに社会的事業を始める方に対して経費の一部を補助する制度です。
対象者は県内の居住者であること以外にも、「福岡よかとこビジネスプランコンテスト」などの参加者や審査通過者に限られますので、2024年度の募集が開始している「福岡よかとこビジネスプランコンテスト」の概要も事前にチェックしましょう。
補助対象経費は、他の補助金と同様に店舗リフォーム費用や店舗で使用する厨房機器、美容室の施術に必要な設備なども対象となり、200万円を上限に対象経費の1/2が交付されます。
【福岡県】福岡よかとこ起業支援金のスケジュール
令和6年度の募集は終了しました。
令和7年度の募集については現時点では未定です。
POSレジやPC、ITツール導入に使用できる補助金・助成金4選【番外編】

店舗のリフォーム以外にもITツールの導入、業務効率化や生産性の向上、新たな製品やサービスの開発などを支援する補助金があります。
ここからは店舗の改装以外に活用できる補助金についてご紹介していきます。
IT導入補助金2025
IT導入補助金は、経済産業省中小企業庁が実施する中小企業・小規模事業者向けの補助金で、業務効率化や生産性の向上などを目的に、 ITツール(ソフトウェア、ハードウェア、サービスなど)の導入を支援する制度です。
IT導入補助金2024→2025の主な変更点
1. 最低賃金近傍の事業者向けに補助率を拡充
最低賃金近傍の事業者に関して補助率が1/2から2/3へアップします。
※最低賃金近傍の事業者とは?
「3か月以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が、全従業員の30%以上であることを示した事業者」が対象となります。
2. セキュリティ対策推進枠の上限額・補助率の拡充
補助額の上限が100万円から150万円に引き上げられます。
また、小規模事業者に対しては1/2だった補助率が2/3にアップします。
3. 汎用ツール・導入後支援の補助対象化
ITツール導入費用だけでなく、導入後の保守サポートやマニュアル作成等の費用などの導入関連費用や、 ITツールの活用定着を支援する導入後の活用支援まで補助対象が広がりました。
IT導入補助金2025には、2024年に引き続き通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)・インボイス枠(電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠・複数社連携IT導入枠の5つの申請枠があります。
通常枠 | 業務効率化や売上アップを目的としたITツールの導入を支援 |
---|---|
インボイス枠(インボイス対応類型) | インボイス制度に対応したソフトやPOSレジ、PCなどの機器の導入を支援 |
インボイス枠(電子取引類型) | 受発注クラウドソフトの導入を支援 |
セキュリティ対策推進枠 | サイバーセキュリティソフト導入の支援 |
複数社連携IT導入枠 | 商店街など複数の中小・小規模事業者が連携してITツールの導入により生産性向上を図る取り組みを支援 |
IT導入補助金2025の補助上限額は、複数社連携IT導入枠が最大3,000万円、他の申請枠の補助上限では最大450万円となります。
インボイス枠(インボイス対応類型)では、インボイス制度に対応した決済ソフトの導入や決済端末の導入費も補助対象となっていますので、改装のタイミングで新たな決済システムの導入を検討されている方には必見の補助金と言えるでしょう。
IT導入補助金2025はいつから始まる?
IT導入補助金2025は、2025年3月31日(月)から初回公募の申請が開始されます。
IT導入補助金2024の申請では独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言など必須の申請要件や任意の加点要件などがありました。
2025年度でも引き続き要件となる可能性が高いため、申請を検討されている方は事前に確認しておくとスムーズです。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、全国中小企業団体中央会(全国中央会)が実施する、中小企業・小規模事業者向けの補助金で、 生産性の向上や持続的な賃上げを実現させるための革新的な製品やサービスの開発、生産プロセス改善のための設備・システム投資を支援する制度です。
ものづくり補助金2024→2025の主な変更点
まず、大きな変更点として収益納付の廃止が挙げられます。
補助金を活用して得た収益を返納する必要がなくなり、柔軟に利益を活用できるようになります。
さらに、最低賃金近傍の事業者に対する補助率が引き上げられ、賃上げ要件も実現可能な基準へと見直されました。
加えて、従業員数21人以上の事業者であれば補助上限額も引き上げられています。
収益納付とは?
2025年のものづくり補助金では、収益納付が不要になりました。
収益納付とは補助金を受けて設備投資や事業を行い、その結果として得られた利益の一部を、補助金を支給した国や自治体に返還する仕組みを指します。
収益納付の廃止によって、事業者は補助金の活用による利益をより柔軟に活用しやすくなります。
ものづくり補助金2025の概要
引用元:中小企業庁 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(PDF)
2025年のものづくり補助金では、2つの枠が用意されています。
また、大幅賃上げ特例により、大幅な賃上げに取り組むと補助上限額に100~1,000万円の上乗せがあります。
大幅賃上げ特例の適用要件は、以下の2点です。
1. 給与支給総額の年平均成長率が+6.0%以上増加
2. 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+50円以上
いずれか一方でも未達の場合は、補助金を返還する義務があります。
1. 製品・サービス高付加価値化枠
補助上限額:従業員数に応じて750万円~2,500万円
※大幅賃上げ特例適用時は最大 3,500万円
補助率:中小企業は1/2、小規模・再生事業者は2/3
補助上限は以下の表の通りです。
()内は大幅賃上げ特例達成時
従業員数 | 補助上限額 |
---|---|
5人以下 | 750万円(850万円) |
6~20人 | 1,000万円(1,250万円) |
21~50人 | 1,500万円(2,500万円) |
51人以上 | 2,500万円(3,500万円) |
2. グローバル枠
補助上限額:3,000万円
※大幅賃上げ特例適用時は最大 4,000万円
補助率:中小企業は1/2、小規模・再生事業者は2/3
ものづくり補助金の補助対象経費
ものづくり補助金の対象となる経費は、以下のようなものが挙げられます。
- 機械装置・システム構築費(必須)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
グローバル枠のみ、以下の費用も補助金の対象経費となります。
- 海外旅費
- 通訳・翻訳費
- 広告宣伝・販売促進費
ものづくり補助金の公募スケジュール
ものづくり補助金第19次公募のスケジュールは、以下の通りです。
公募開始:令和7年2月14日(金)
申請受付:令和7年4月11日(金)
応募締切:令和7年4月25日(金)17:00
採択発表:令和7年7月下旬予定
令和6年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」概要はこちら(PDF)
ものづくり補助事業公式ホームページはこちら
事業承継・M&A補助金
事業承継・M&A補助金(旧:事業承継・引継ぎ補助金)は、 中小企業の生産性向上や持続的な賃上げに向けて、事業承継に伴う設備投資やM&A、PMI(経営統合)の専門家活用費用などを支援する補助金です。
事業承継・M&A補助金2025の概要
引用元:中小企業庁 事業承継・M&A補助金(PDF)
2025年の事業承継・M&A補助金では、4つの枠が用意されています。
- 事業承継促進枠
- 専門家活用枠
- PMI(経営統合)推進枠
- 廃業・再チャレンジ枠
事業承継促進枠
5年以内に親族内承継又は従業員承継を予定している事業者が対象です。
補助上限:800万円~1,000万円
※一定の賃上げを実施する場合、上限は1,000万円に引き上げ
補助率:
中小企業: 1/2、小規模事業者: 2/3
対象経費:
設備費、産業財産権等関連経費、謝金、旅費、外注費、委託費など
専門家活用枠
M&Aを進める際に必要な専門家の活用費用(フィナンシャル・アドバイザー(FA)や仲介に係る費用※、表明保証保険料等)を補助する支援枠です。
経営資源を譲り渡す、又は譲り受ける事業者が対象となります。
※FA・仲介費用については、「M&A支援機関登録制度」に登録されたFA・仲介業者による支援に係る費用のみ補助対象です
【買い手支援類型】
補助上限:600万~800万円
100億企業要件を満たす場合は最大2,000万円
補助率:2/3
100億企業要件を満たす場合は1,000万円以下の部分が1/2、1,000万円超の部分が1/3
【売り手支援類型】
補助上限:600万~800万円
補助率:1/2
赤字または営業利益率の低下に該当する場合は2/3
いずれも謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料が対象経費となります。
PMI推進枠
M&A後の経営統合(PMI)に係る費用(専門家費用、設備投資等)を補助する支援枠です。
設備費、外注費、委託費等が対象経費となります。
【PMI専門家活用類型】
補助上限:150万円
補助率:1/2
【事業統合投資類型】
補助上限:800万~1,000万円
※一定の賃上げを実施する場合、補助上限を1,000万円に引き上げ
補助率:
中小企業: 1/2、小規模事業者: 2/3
廃業・再チャレンジ枠
事業承継やM&Aの検討・実施等に伴って廃業等を行う事業者が対象です。
補助上限:150万円
※事業承継促進枠、専門家活用枠、事業統合投資類型と併用申請する場合は、それぞれの補助上限に加算
補助率:1/2、2/3
※併用申請する場合は、各事業の補助率を適用
対象経費:
廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リースの解約費、移転・移設費用(併用申請の場合のみ)
事業承継・M&A補助金2025の公募スケジュール
2025年3月31日より公募要領(暫定)を開示
交付申請受付期間は現在まだ公表されていません。
【東京都】創業助成金
創業助成金は、東京都中小企業振興公社が運営主体の東京都内で創業を計画している個人の方や、創業後5年未満の中小企業向けの助成金制度です。
主な助成対象は事務所の賃借料やPC・コピー機・エアコンなどの器具備品購入費の他、従業員人件費、市場調査・分析費(委託費)など幅広い項目が助成の対象となっています。
助成額は100~400万円で上限額が昨年までの300万円から増額となっており、助成率は2/3です。
※賃借料や器具備品購入費などの事業費と従業員人件費の助成金申請額の上限は300万円、委託費の助成金申請額の上限は100万円です。
創業助成金は創業時の諸経費の多くを占める賃借料や器具備品購入費を助成する制度で、事務所や店舗の備品やエアコンなどの機器の購入費にも充てられます。
資金計画次第ではその分の開業資金をリフォーム費用に使用することも可能となりますので、東京都で開業を検討中の方は本制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
【東京都】創業助成金の公募スケジュール
創業助成金の申請受付は4月頃と10月頃の年に2回、申請期間は10日程度です。
令和7年度の申請期間は令和7年4月8日(火)~4月17日(木)※必着となっています。
【まとめ】補助金・助成金を上手に使うポイントは?

ここまで飲食店や美容室の店舗リフォームの際に使用できる補助金・助成金をご紹介しました。
補助金・助成金は全国に様々なものがあり、中には募集期間が短いものも多数あり募集要件も多岐にわたります。
店舗リフォームを行う際は、補助金と助成金の違いや給付の時期を理解しこまめなリサーチと綿密な資金計画を立てることが重要です。
また補助金・助成金の申請には事業計画書とともに、リフォームや設備機器購入費用の見積書(事業費の妥当性を証明できる書類)の提出を行うことも審査での重要なポイントとなります。
補助金・助成金を活用して店舗の改装や新規設備の購入を検討されている方は、当社までお気軽にお問い合わせください。
本記事が補助金・助成金を活用し、店舗リフォームを検討されている方のお役に立てれば幸いです。
店舗設計施工.com