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執筆者:古川原
「開業資金が抑えられる」「一人でも経営できる」「狭小物件でも営業できる」などたくさんのメリットがある小さな居酒屋。ですが、小さいゆえに注意しなければならないポイントもあります。
大型店や一般的な飲食店と比べて、狭小店舗ではどのような点に気を付けて内装デザインを考えればいいのか、ポイントをまとめました。
また、店内を広く見せるためのノウハウもご紹介していますので、店づくりの参考になれば幸いです。
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小さな居酒屋の広さはどれくらい?
一般に広さ10坪(約33㎡)程度までのお店を「小さいお店」「狭小店舗」といいます。畳数でいえば20畳程度。オーナーが1人で営業するワンオペスタイルの居酒屋などでは6坪や7坪のお店も人気です。
店舗面積のうち20~35%は厨房に使いますし、トイレのためのスペースも必要です。そのため実際の飲食スペースは店舗面積の70%程度と考えると良いでしょう。仮に10坪のお店なら7坪くらいになります。
座席数は一般的な飲食店で1坪あたり1.5~2席が目安とされていますので、7坪なら10~14席くらい設置できる計算になります。
小さな居酒屋のメリット
小さな居酒屋には、小規模なお店だからこそ出せる強みがあります。
1.お客様とのコミュニケーションがとりやすい
小さな居酒屋はカウンターメインのお店が多く、店内も狭いため自然と店員とお客様の距離が近くなります。会話やコミュニケーションが生まれやすく、お客様が常連化しやすい傾向があります。
2.開業資金やランニングコストが抑えられる
お店を開業するためには敷金・礼金、仲介手数料、前家賃などの物件取得費、内外装工事や厨房機器などの店舗投資費が必要ですが、狭小店舗であれば、これらの開業資金を大型店よりも抑えることができます。内装工事にかかる費用も、お店が狭い分安く済むでしょう。
また、開業後も少ないスタッフで運営できるので人件費が節約でき、家賃や光熱費といったランニングコストも抑えることが可能です。
3.一人飲みのお客様が入りやすい
団体客で賑わうお店に一人で入店するのはちょっと気が引けるというお客様も、小さな居酒屋やバーであれば入りやすく感じてくれます。
「自分のペースで飲める」「平日でも飲みたいときに飲める」といった理由で、女性客にも一人飲みの人気がじわじわ浸透中です。そういったお客様に対応しやすいのも小さな居酒屋の強みでしょう。
小さな居酒屋の内装で押さえるべきポイント
小さな居酒屋の内装デザインは、限られたスペースの中で効率よく営業するための工夫が必要です。
1.コンセプトを明確にする
コンセプトの設計はすべての飲食店において必要ですが、小さな居酒屋で勝負をするなら、よりはっきりと明確にしたコンセプトが必要です。
小さな飲食店は開業のハードルが低い分、ライバル店の数が多いのが特徴です。また座席数が少ないため、どんどん回転させてたくさんのお客様に来ていただく必要があります。
明確なコンセプトのない小さな居酒屋では、営業を続けていくことが困難でしょう。
コンセプトの立て方については、こちらの記事も参考にしてください。
飲食店の内装デザインで成功する5つのポイント
2.動線をシンプルにする
狭い店内でスタッフが動きやすいように動線はできるだけシンプルにしておくのがおすすめです。またお客様が入り口から席、席からトイレやレジにスムーズに移動できるように、カウンター席の後ろには幅60cm程度の通路を設けておきましょう。
3.利便性を考慮する
小さな居酒屋やバーではお客様が荷物を置くスペースを取ることが難しいため、カウンター席の下にカバンを置く台を設けたり、壁に上着を掛けられるフックを設置したりするなど、お客様の利便性を考えた内装デザインがポイントになります。
限られた空間を広く見せる内装デザインは?
狭い店内を広く見せたいなら、閉塞感をできるだけ減らした内装デザインにするのがおすすめです。
1.色の効果で広く見せる
白や暖色系などの「膨張色」を内装に使うと、空間を大きく見せる効果があります。その際、店全体を膨張色でまとめるのではなく、壁や天井は膨張色、床は「収縮色」とされる黒や寒色系の色を使うことで、色の明度対比によって膨張色が際立ち、店内をより広く見せることが可能です。
2.抜け感を出す
ガラス製品や大きい鏡で店内に「抜け感」を演出するのも閉塞感を和らげる効果があります。調理している様子がお客様から見えるオープンキッチンスタイルも抜け感があるため、狭小店舗と相性の良い内装デザインです。
3.視線の上部に空間を設ける
可能なら天井を高くし、テーブルや座席などの家具を低く設計してみましょう。視線の上部に空間のゆとりが生まれ、開放感が感じられます。
まとめ
開業のハードルが低く、お客様とのコミュニケーションが取りやすいことから人気の小さな居酒屋ですが、その分ライバル店が多いため明確なコンセプトで差別化を図る必要があります。
また、狭い店内で少しでも快適に過ごしていただくためには様々な工夫が必要になります。この記事で紹介したポイントを押さえながら内装デザインを考えてみてください。
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記事の監修・執筆者
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株式会社ライフワン 古川原
保有資格:
・2級建築士/
・第2種電気工事士/
・一般建築物石綿含有建材調査者/
・石綿作業主任者店舗設計施工.com運営担当の古川原です。施主様、店舗デザイン・内装工事・建築工事会社様にも満足いただけるよう皆様をサポートさせていただきます。
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