店舗内装はDIYしても良い?自分で作るメリットと注意点

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記事の監修・執筆者:古川原

店舗内装はDIYしても良い?自分で作るメリットと注意点を解説

自分好みの家具を作りたい、あるいはお店の開業資金を浮かせたいなどの理由で店舗内装をDIYしようと考える人は少なくありません。実際、プロ並みの腕前でDIYされる施主様もいらっしゃいます。
ただし、店舗内装にはDIYしてはいけない部分もありますので、自分で作る部分とプロに任せる部分を明確にすることが大切です。店舗内装をDIYするメリットとデメリット、成功させるためのポイントについて解説します。

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DIYできる店舗内装の例

店舗内装において資格が不要な部分であれば、ご自身でDIYされても問題ありません。
比較的DIYにチャレンジしやすい店舗内装についてご紹介します。

1.壁や床の張り替え

壁や床の張り替え

店舗内装の壁や床はDIYを行いやすい箇所です。壁紙(クロス)やフローリングの張り替えなどは、やり方が動画サイトなどで詳しく紹介されており、初心者でもチャレンジしやすいでしょう。

ただし、お客様から見える部分については仕上がりが気になる箇所になりますので、プロに任せた方が安心です。また面積が広すぎてもDIY初心者にはハードルが高いため、初めは厨房やバックヤードなどの内装からチャレンジしてみるのがおすすめです。

2.壁を漆喰(しっくい)で塗る

漆喰とは水酸化カルシウム(消石灰)を主原料とした建築材料で、防火性・調湿性・消臭性に優れています。漆喰は塗りムラが出来たとしてもそれが「味」になるため、初心者でも比較的チャレンジしやすいでしょう。
ただし、きれいに塗るにはそれなりにテクニックが必要ですので、お客様から見えない部分や、小さな面積から挑戦するのがおすすめです。

漆喰は自分で水と混ぜる粉タイプと、すでに練り込まれたペーストタイプがありますが、初心者にはペーストタイプが良いでしょう。また周囲が汚れますので、漆喰を塗る前に窓枠や床などをしっかり養生することがポイントです。

3.家具のDIY

陳列棚やカウンター、椅子、テーブルなど、店舗内装で使用する家具類を自分で作るのもおすすめです。
家具はなかなか気に入ったデザインのものが見つからず、かといってオーダーで作ると高額になってしまいがち。DIYなら気に入ったデザイン、ちょうどいい大きさのものを作ることが可能です。
家具を一から作るのが難しい場合は、既存の家具をお好みの色に塗り替えるだけでも店舗内装デザインに統一感が出せるのでおすすめです。

DIYしてはいけない店舗内装とは

店舗内装でDIYしてはいけない箇所は、資格がないと触れない部分と安全面に関わる部分です。

1.電気・水道・ガスなどの配線や配管工事

コンセントの増設など、電気設備の工事を行うためには電気工事士の資格が必要です。
同様に、水道工事には給水装置工事主任技術者や下水道排水設備工事責任技術者といった資格が、ガス工事には簡易内管施工士の資格が必要です。
もし無資格者が工事を行って火事や水漏れなどが起こった場合、保険が下りないなどのリスクがありますので、これらの工事は必ず施工会社や専門業者に依頼してください。

関連記事:DIYでお店のコンセントを増設したい?それ、資格が必要です!費用相場も紹介

2.安全性や耐久性を要する箇所

たとえば天井近くにDIYで取り付けた棚が落ちてきて、お客様にケガをさせてしまったら大変です。設置したときは大丈夫でも、しばらくしてから重みで落ちてしまう可能性もあるでしょう。
プロの施工業者は、時間が経っても安全性を確保できるように施工しています。このような安全性や耐久性を要する箇所の工事はプロにお任せするのがおすすめです。

店舗内装をDIYするメリット

店舗内装をDIYすることで得られるメリットには次のようなものがあります。

1.コストを削減できる

DIYのもっとも大きなメリットはコストが削減できる点です。店舗内装工事には1坪あたり30万~50万円程度の費用が必要だといわれていますので、その一部分だけでもDIYで浮かせることができたらうれしいですね。
ただし、時間や手間といった「見えないコスト」がかかっていることは忘れないでおきましょう。

2.お店に愛着がわく

たとえプロのようにきれいに作れなかったとしても、手作りの内装は愛着がわくのではないでしょうか。
また、DIYなら規格品にはないサイズやデザインの物も作ることができますので、少ない資金で自由度の高い内装を実現できる可能性があります。

お店に愛着がわく

3.スキルが身に付く

DIYでクロスを張ったりペンキを塗ったりした経験が、自分のスキルとして身に付きます。数年後にお店の内装が傷んできたとき、ちょっとした補修なら自分で行うことができるかもしれません。

DIYのデメリットは?

店舗内装をDIYする前に、デメリットについても確認しておきましょう。

1.手間と時間がかかる

店舗内装のDIYは想像以上に手間と時間がかかります。最悪の場合、開店日時に間に合わないというケースも考えられますので、スケジュールをよく確認して作業を進めましょう。
開店していなくても家賃は発生しますので、開店が遅れればそれだけ費用がかかってしまいます。せっかくDIYで開業資金を抑えようとしているのにこれでは本末転倒ですよね。

2.耐久性が劣る

プロの施工業者に依頼した場合と比べて、耐久性が劣る可能性が高くなります。
本来なら10年以上使える家具がDIYしたことで3年しか持たなかった場合、買い替える羽目になりトータルコストがかえって高くついてしまうケースも。DIYで不安を感じる部分は無理をせず、施工会社に頼みましょう。

DIYの進め方とポイント

店舗内装のDIYを成功させるために、進め方とポイントについて解説します。

1.DIYのおおよその日数を決めておく

先ほども述べた通り、DIYには想像以上に時間がかかるケースが多いため、予め目安となる日数を決めておきましょう。もし予定よりも日数がかかるようであれば、早めに内装業者に依頼するなど対策を取ることができます。

2.必要な工具と材料を揃える

工具類はホームセンターなどで購入するか、レンタルで済ませることもできます。
木材などはお店でできるだけカットしてもらっておくと、手間と時間を節約することができるのでおすすめです。
途中で材料が足りなくなって買い足しに行ったら売り切れていたというケースもありますので、初めから余裕をもって用意しておきましょう。

物件の状況や作業場所によっては、コンセントが使えない場合もありますので、ポータブル電源があると便利です。
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3.施工業者と打ち合わせる

内装工事には順番が決められているものもあるため、施工会社との打ち合わせは綿密に行いましょう。内容によっては業者に依頼した方が安くなるケースもありますので、必ず最初に見積もりを取り、DIYの場合と比較してみましょう。
あとから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、施工会社とのコミュニケーションはこまめに取っておくことをおすすめします。

まとめ

店舗内装のDIYはコストを抑えられたり、イメージどおりの内装を実現できるといったメリットがありますが、失敗するとかえって費用が高くついたりお店の開店に間に合わないケースもありますので注意が必要です。
無理のない範囲でDIYを行い、規格品にはないオリジナルの内装でお店作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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