店舗設計における巾木(はばき)の役割、高さ、種類、選び方

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記事の監修・執筆者:古川原

巾木は何のために設置するのか、お店に適切な巾木の種類や選び方について解説します。

皆さんは「巾木」をご存じでしょうか。写真を見れば「これのことか」と分かっていただけると思います。
この記事では巾木は何のために設置するのか、お店に適切な巾木の種類や選び方について解説します。

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巾木とは(巾木の役割)

巾木とは、壁と床の境目に取り付ける細長い部材のことで、読み方は「はばき」です。「幅木」と書くこともあります。木造建築だけでなくコンクリートであっても隙間は生じるため、巾木を取り付けます。
巾木の役割は主に2つあります。

1.壁と床との隙間を隠すため

壁と床はぴったりくっ付けずに、あえて隙間を空けて施工しています。これは隙間なく施工することが困難であることと、壁や床の建材が温度や湿度によって伸縮するため、あえて「逃げしろ」を設けているためです。逃げしろがないと壁や床がたわんだりひび割れたりする原因になります。

そのままだと隙間部分にゴミが溜まったり、すきま風が入ってきたりしますので、巾木を取り付けます。また見た目も、巾木があった方がきれいに仕上がります

2.傷や汚れから壁を守るため

掃除機をかけているとき、壁に掃除機が当たってしまったことはありませんか?壁の下の方は意外と汚れやすかったり傷がついてしまったりする箇所です。巾木はこのような傷や汚れから壁を守る役割があります。

巾木の種類

巾木の種類は大きくわけて2つあり、木製の「木巾木」と塩化ビニル製の「ソフト巾木」があります。それぞれの特徴を比べてみましょう。

1.木巾木

着工

木でできた巾木のことで、無垢材・成型材・天然木などがあります。
厚みがあるのが特徴で、装飾的な加工が施されていることが多いでしょう。見た目に高級感や重厚感がありますが、その分価格は高め。また、厚みがあるため巾木の上に埃が溜まりやすいというデメリットがあります。

2.ソフト巾木

落成

塩化ビニルで出来ており、薄くてしなやかなソフト巾木。簡単に曲げることができるので、部屋の角や隅への施工も容易です。木巾木と比べて値段が安く、色柄の種類も豊富に揃っているのがメリット。また、薄いので埃も溜まりにくく掃除が楽でしょう。
ソフト巾木には下側にカーブをつけて埃が隙間に入りにくくしているタイプもあります。

巾木の選び方

意外と目に入る巾木。選び方を失敗すると悪目立ちしたり、内装デザインを台無しにしてしまったりするので、よく考えて選びましょう。

1.巾木の色

壁の色に合わせるケース…巾木を壁紙の色と合わせておけば、見た目がすっきりして天井が高く感じることができます。壁紙がホワイト系やブラウン系であれば取り入れやすいでしょう。ただし、壁紙が凝ったデザインの場合は難しいと言えます。

床の色に合わせるケース…壁紙に合わせるのが困難な場合は、床(フローリング)と巾木の色を揃えるのもおすすめです。フローリングの床と同じ色の木巾木や木目のソフト巾木を選べば、一体感が出て部屋全体が広く見えます

アクセントとして巾木を使うケース…巾木の色を壁や床と揃えず、アクセントとして扱うテクニックです。巾木の存在がはっきりわかるため、お店全体が引き締まって見える効果があります。
その際、お店の什器や建具などと色を合わせると、ほどよく統一感が出て全体がまとまりやすくなります。

2.巾木の高さ

巾木の高さにはいろいろなバリエーションがあり、お好みに合ったものを選ぶことができます。メーカーカタログには高さ40mmから300mm程度まで実に幅広くラインナップされていますが、一般的に40~100mm程度がよく使われています
巾木の主張を和らげたい場合は40mm程度、掃除機などのぶつかり傷を防ぐなら60mm程度~がおすすめです。

3.巾木の納まり方

巾木の納まり方(仕上げ)には、入巾木・出巾木・同面巾木があります。

入巾木(いりはばき)…壁面よりも巾木が引っ込んでいるものを入巾木と呼びます。
巾木を目立たせたくない場合や、おしゃれな内装デザインにしたい場合に採用されます。ただし費用は高めです。

出巾木(ではばき)…壁面よりも巾木が前に出ているものを出巾木と呼びます。
施工が簡単で価格も安く済む点がメリットで、通常はこちらの納まり方が選ばれるケースが多いです。ただし出っ張っているので巾木の上に埃が溜まりやすくなります。

同面巾木(どうづらはばき)…壁面と巾木が同じ面になるように納めたものを同面巾木と呼びます。
壁と巾木を同じカラーにすれば巾木の存在感がなくなり、すっきりとした印象にすることができます。また巾木の上に埃が溜まることもありません。
ただし施工にかかるコストは高くなります。

まとめ

店舗設計における巾木の役割と種類、選び方について解説しました。巾木は意外に内装のイメージを左右するので、こだわって選びたい部材です。
価格もデザインもバリエーション豊富な巾木の中から、ベストなものを選びましょう。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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