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記事の監修・執筆者:古川原
お店の所在やメニューなどを伝えるために大切な看板。飲食店が店舗開業をする際は看板の準備が必要です。しかし看板には無数に種類がありデザインも様々…。どのような種類やデザインにすればいいのか頭を悩ませると思います。
そこで飲食店が看板をデザインするときに気を付けたいポイントや、飲食店におすすめの種類、繁盛しているお店の看板デザインの特徴などをご紹介します。
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飲食店の看板の役割
私たちが日々、目にしている看板。具体的にどのような役割があるのでしょうか。看板の主な役割は大きく分けて2つあります。
お客様にお店の存在を知らせる
まず、看板はそこにお店があることを知らせるのが第一の役割です。たまたま近くを歩いていた人も、地図を頼りにあなたのお店を探しに来た人も、最終的には看板を頼りに入店します。
看板がなければどこにお店があるのか分かりづらいですし、お客様が通り過ぎたり、入店するのを躊躇したりする可能性が高いでしょう。
お店が何を提供しているかを伝える
看板のもう一つの役割は、お店が何を提供しているのかをお客様に伝えることです。そこがカフェなのか居酒屋なのか、洋食屋さんなのか和食屋さんなのか…看板があればどんなお店でどんなメニューを提供しているのかをお客様に伝えることができます。
またお客様にとっても、求めていたものと違ったお店に入るという失敗が少なくなりますので、がっかりされるリスクを減らすことができます。
飲食店におすすめの看板の種類
看板にはたくさんの種類がありますが、その中でも特に飲食店におすすめのタイプをピックアップしてご紹介します。
壁面看板
名前の通り建物の壁面に設置する看板のこと。壁面はデッドスペースになりやすいため、広告に利用することで大きな販促効果が期待できます。
袖看板(そでかんばん)
別名「突き出し看板」とも呼ばれます。建物の側面から垂直に飛び出しているのが特徴で、道を歩いている人から看板が見えやすいというメリットがあります。
ファサード看板
ファサード看板は、主に建物正面(ファサード)にある店舗入り口の上部に取り付けるタイプのこと。目立つ位置に大きな面積を取って掲げる看板ですので、お店の印象づくりにも影響を与えやすいでしょう。
スタンド看板
移動できる小型の看板で自立できるのが特徴です。ベーシックなA型看板(A看板)は、横から見るとアルファベットのAの形をしています。お店のメニューなど定期的に内容を変えたいときに使いやすいタイプです。
ウインドウ看板
別名「ウインドウサイン」とも呼ばれ、窓に代表されるガラス面に取り付ける看板です。
殺風景な窓をおしゃれに装飾したい場合や、店内のプライバシーを保護したい場合などに使われます。
ポール看板
遠くからでも視認できるように、1~2本の長いポール状の脚がついた背の高い看板です。都市郊外の交通量が多い幹線道路沿いにある飲食店によく使われています。
飲食店が、良いデザインの看板を作るためのポイント
飲食店が看板のデザインを考えるとき、どのような点に注意すればいいのかポイントをお伝えします。
1.視認性を高くする
看板はパッと見て内容をすぐに理解できることが大切です。
看板をデザインするとき、あれこれ要素を盛り込みたくなりますが、あまり多くの情報を入れすぎるとごちゃごちゃしてしまい、視認性が落ちてしまいます。看板に入れる情報はなるべくコンパクトにまとめましょう。
また色を使いすぎないことも大切です。遠くからでもパッと目に入るようにするためには、3色以内に抑えてデザインするのがおすすめです。
その際、ベースカラー(基調となる色)70%:サブカラー(補完する色)25%:アクセントカラー(ポイントになる色)5%の比率でデザインするとバランスの良い配色になります。
商品写真を入れる場合はそれも1色とカウントして、それ以外を2色以内に抑えるとおしゃれにまとまります。たとえばハンバーグのお店なら商品写真は茶色っぽいので、茶色以外の2色を使うイメージです。
2.お店のイメージとマッチさせる
看板も店舗デザインの1つと考え、同じテイスト・同じ世界観のデザインにすることが大切です。
お客様が看板を見てイメージした内容と、実際のお店の内容が食い違っていると、看板を見て興味を持ったお客様をがっかりさせてしまいますよね。
まずは何屋なのかを明確にすること。イタリアンのお店ならイタリアの国旗の色を看板に取り入れたり、店名が英文字の場合は料理のイラストを添えたりといった具合に、一目で誤解なく伝わるかを考えてデザインすることが大切です。
その上で、カジュアルなお店なのか高級店なのか、和風なのか洋風なのか、若者向けなのか家族向けなのか…といったお店の雰囲気やコンセプトも伝わるようにデザインできればベストです。
3.周囲の風景とバランスを取る
何もないところにポツンと立っているお店でない限り、周囲の風景とのバランスも考えて看板のデザインを考える必要があります。
極端に浮いているデザインは、目立つかもしれませんが長い目で見ると愛されるお店にはなりにくいでしょう。かといって完全に同化してしまったら、どこにお店があるのか分かりません。
周囲の風景に合わせつつも、他のお店とは違った色や異なるテイストのデザインを採用するなど、周囲のお店との差別化を図りましょう。
繁盛する飲食店の看板の特徴
飲食店の看板デザインを考えるとき、繁盛しているお店のデザインを参考にするのも効果的です。繁盛しているお店の看板の特徴を挙げてみました。
1.遠くから見ても目立っている
たくさん並んでいるお店の中で、パッと目に入る看板があれば自然とそこへ引き寄せられます。
看板を目立たせるためには、看板の大きさや数、色合い、照明の有無、設置場所なども考える必要があります。昼間は目に入るけど夜間はどこにお店があるのか分からない、といったことがないように夕方以降は看板をライトアップさせるなどの工夫が必要になります。
また看板の設置場所は、お店を正面から見たときだけでなく側面からでも見つけやすいかチェックしてみましょう。
2.お店のコンセプトが明確に伝わる
そのお店がどんなお客様に対して、どのような商品・サービスを、どのような思いで提供しているのか、コンセプトがしっかりと伝わる看板デザインは魅力的です。
看板はお店の顔になる部分ですので、お店のコンセプトをぎゅっと圧縮してデザインに取り込みましょう。
3.キャッチコピーやアイキャッチが入っている
キャッチコピーとはお店の特徴を短い文章で示したもの、アイキャッチはお店の特徴を写真やイラストなどのビジュアルで示したものです。これらが看板に入っていると、そこがどんなお店なのかがお客様に伝わりやすくなります。
ただ単に店名や営業時間だけを記した看板よりも、キャッチコピーやアイキャッチが入った看板の方がおしゃれで魅力的に感じられるでしょう。
看板の設置時に注意したい法律・条例など
看板を設置するためには、様々な条例やルールを守る必要があります。下記以外にも関連する条例や法律がありますので、詳しくは自治体のホームページなどで確認してください。
屋外広告物法…良好な景観の形成または風致(ふうち)の維持と、公衆に対する危害の防止を目的に定められた法律。看板を設置する地域や看板の種類によって規制内容が細かく決められています。
建築基準法…看板全体(ポールや支柱も含む)の高さが4メートルを超える看板の場合、建築基準法の規定にも沿う必要があります。
道路法…看板が建物から突き出している場合に、道路法の基準を満たしているかどうかの審査が必要です。申請先は道路管理者になります。
まとめ
飲食店が看板を設置する目的は、お客様にお店の存在を伝えることが一番ですが、それ以外にもたくさんの役割があります。また看板をデザインする上で注意すべきポイントや設置ルールもありますので、記事の内容を参考にこだわりの看板を制作してください。
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記事の監修・執筆者
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株式会社ライフワン 古川原
保有資格:
・2級建築士/
・第2種電気工事士/
・一般建築物石綿含有建材調査者/
・石綿作業主任者店舗設計施工.com運営担当の古川原です。施主様、店舗デザイン・内装工事・建築工事会社様にも満足いただけるよう皆様をサポートさせていただきます。
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