需要が急拡大するテイクアウト専門店、店舗デザインのポイント

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執筆者:古川原

需要が急拡大するテイクアウト専門店、店舗デザインのポイント

お弁当やサンドイッチなどの軽食だけでなく、パスタやカレー、スープ、ドリンク、スイーツまで、おしゃれで美味しそうなテイクアウト(持ち帰り)メニューを提供する店舗が急増しています。
その背景には共働き家庭や単身世帯の増加が関係していますが、コロナ禍以降は外出自粛などの影響で、おうちで美味しいものが手軽に食べられるテイクアウトの人気が高まりました。
飲食店を開業したい方にとっても、テイクアウト専門店は開業資金が抑えられるなど様々なメリットがあります。本記事ではテイクアウト専門店に注目し、店舗デザインのポイントや開業のメリット・デメリットについてまとめています。

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テイクアウト専門店とは

店内に飲食用のスペースを持たず、持ち帰りのみを提供するお店のことをテイクアウト専門店と呼びます。
飲食店で食べる食事を「外食」、家で調理して食べる食事を「内食」と呼びますが、テイクアウトは外で調理されたものを持ち帰って食べる「中食(なかしょく)」に当たります。
テイクアウト専門店の急増には、次のことが影響しています。

1.コロナ禍で外食を控える人が増え、自宅で美味しいものを食べられるテイクアウトに人気が集中した。

2.軽減税率の導入により、飲食店で食べると10%の消費税がかかるところを、テイクアウトだと8%で済むため需要が拡大した。

加えて冒頭でもお伝えしたとおり、家事に割く時間を減らしたい共働き家庭や単身世帯が増えていることも、テイクアウトの需要を高めています。
ただ、テイクアウトは便利さや時短になることだけが人気の理由ではありません。インパクトのある見た目や味といったSNS映えするメニューがテイクアウトには多いことも、人気を集める要因となっています。

テイクアウト専門店を開業するメリット

テイクアウト専門店は、一般的な飲食店と比べてコンパクトに開業できる点がメリットです。飲食スペースを用意する必要がないため、キッチンと販売スペースを合わせて10坪程度の店舗面積があれば開業できるでしょう。メニューによっては2坪からでも開業できます。

また、食器を洗ったり、料理を運んだりする必要がないため運営スタッフも最小限で済みます。人件費を抑えられる分、材料費などに充てることができますね。
さらに、客席がないということはお客様の数を制限しなくて良いということですので、材料がある限り販売することができる点もメリットです。

テイクアウト専門店を開業するメリット

テイクアウト専門店を開業するデメリット

テイクアウト専門店のデメリットは、提供できるメニューが限られてしまう点です。持ち帰って食べるので、調理から時間が経っても美味しく食べられるものでないとテイクアウトには向いていません。腐りやすいもの、こぼれやすいものもテイクアウトには不向きでしょう。

また、イートインの飲食店よりも客単価が低くなりがちな点もデメリットです。テイクアウト専門店で3,000円以上するようなメニューはあまり見かけませんよね。テイクアウトには手軽に買える価格設定であることが求められます。
さらに、持ち帰り用の容器や箸などの備品代も無視できません。特にSNS映えを意識するならおしゃれな容器は不可欠ですが、凝ったデザインであればあるほど備品代も高くなってしまうでしょう。

テイクアウト専門店の店舗デザインのポイント

小さい店舗でも開業できるテイクアウト専門店ですが、小さい分インパクトのある外観にして集客効果を高めることが重要です。

1.目立つ外観デザインにする

客席を持たないテイクアウト専門店は外観がすべてです。通りがかりのお客様にお店の存在を気づいてもらえるよう、外観デザインでアピールする必要があります。
そのためにはファサード(建物正面のデザイン)に派手な色を使ったり、インパクトのあるモチーフを飾ったりするなど、遠目からでも認識できるような店舗デザインを心がけましょう。

2.何のお店かひと目で分かるようにする

目立つ外観であることと同じくらい「何のお店か」が分かることも大切です。看板やのぼり、ショーケースなどを使って、分かりやすく選びやすい店舗デザインを意識し、お客様の購入意欲を高めましょう。

何のお店かひと目で分かるようにする

3.スタッフの動線を考えた設計

テイクアウト専門店はスペースが限られているため、一般的な飲食店よりもスタッフの動線に注意して設計する必要があります。
少人数で運営することが多いため、スタッフの動線をコンパクトにして効率的に作業できるようデザインしましょう。また商品の受け渡しがスムーズに行えるか、商品を待つお客様が通行人の邪魔にならないかなどにも配慮が必要です。

人目につきやすい場所への出店が重要

店舗デザインをこだわるのと同じくらい、出店場所も重要です。客単価の低いテイクアウト専門店は、できるだけたくさんのお客様に来てもらえるように人目につきやすい場所への出店がおすすめです。
オフィス街への出店ならランチ客の集客が見込めますし、駅や大学の近くなどもテイクアウト需要が高い場所です。提供するメニューによって最適な出店場所が違ってくるため、周囲の競合店や人通りの多い時間帯などを確認しておきましょう。

まとめ

2~10坪程度の小さな店舗でも営業ができるテイクアウト専門店は、コロナ禍などの影響もあって需要が高まっています。
開業資金や運営コストを抑えられるなどメリットは多いですが競合店も多いため、出店場所を吟味したり目立つ店舗デザインを意識したりして、成功するテイクアウト専門店を開業しましょう。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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