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記事の監修・執筆者:古川原
日本では2020年初頭からコロナ禍が始まり、以降日常生活の中でも、衛生面の意識が大きく向上しました。飲食店でも、コロナ禍以前とは比べ物にならないほど気を遣っている店舗が多いです。
そして、トイレについても大きく注目が集まりました。以前よりもトイレ空間の清潔さを気にする人が増えており、食べたり飲んだりする飲食店ではその傾向が特に強いです。
今回は、案外見落とせない「店舗のトイレ空間づくり」について解説していきます。
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1.トイレメーカーの調査から数値的に見る、飲食店のトイレの重要性
トイレメーカーのリクシルが、2022年に飲食店のトイレに関する調査を行っています。
このアンケート調査では、トイレの良し悪しで飲食店を選ぶことがあるユーザーは、車いすユーザーを除くと40%、車いすユーザーでは80%にものぼるという回答結果が出ています。
また、トイレの個室が狭いことが不満や困ったこととして挙げられており、全体では43%もの人が個室の狭さに困ったと感じたことがあると回答しています。
トイレの広さは後から拡張することが難しいものです。飲食店の店舗デザインをする時優先度が下げられがちな場所でもありますから、他店舗との差別化をはかるため、一度立ち止まって「この設計で、使いやすいトイレになるだろうか」と考えてみることが大切です。
2.トイレ空間の内装、設備のポイント
清潔感をキープする
店舗、特に飲食店のトイレの内装は清潔感がもっとも大切。
明るい色味、柔らかい色味など壁紙や床のカラーを選ぶことも大事ですが、お手入れしやすい素材をチョイスすることも考慮に入れておきましょう。日々の掃除がしやすいことは、キレイな状態をキープする上で非常に重要です。トイレ掃除の時間が短縮できれば、人件費の削減や業務効率化にもつながります。
照明ひとつで変わるトイレ空間
清潔感に次いで注目すべきなのは、店舗の雰囲気に合った空間づくり。それには店舗全体の雰囲気に合わせた照明を導入するのがベスト。光あふれる明るいカフェなのか、ひそやかな夜の雰囲気に満ちたバーなのか。飲食店によって「雰囲気」は大きく異なるからです。
照明の色合いも電球色、昼白色、昼光色など様々ですから、明るさも合わせてどの組み合わせがいいかを考えたいですね。
オート機能を取り入れる
飲食店のトイレは個人宅のトイレとは異なり、不特定多数の方が使う場所です。個人の住宅よりも、タッチレス(非接触)タイプの設備がより好まれる傾向にあります。
便ふたに手を触れない自動開閉機能や、人感センサーで自動点灯・自動消灯する照明、水の流し忘れがなくなる自動洗浄機能など、現在様々なオート機能を搭載したトイレが発売されていますので、ぜひチェックしてみてください。
バリアフリー設計にする
これまでと少し方向性の異なるポイント、それがバリアフリー化です。
手すりの設置、車いすでも利用しやすい設備、広さの設計など、トイレのバリアフリー化については先に考え、設計に取り入れましょう。店舗入口や客席からの動線も、通路の広さや段差についても考慮に入れる必要があります。
バリアフリー化については助成金や補助金を活用できる場合もありますので、内装デザインの打ち合わせの際などに相談してみましょう。
3.競合店舗から一歩抜きん出るトイレ空間
店舗のトイレ空間づくりは、お店全体のイメージアップに貢献してくれたり、リピーターにもつながる大切な事柄です。
客席の良さ、魅力は「雰囲気が良いからあのお店にしよう」「おしゃれだから友人を連れて行きたい」といったように、分かりやすい店舗の武器になりますが、トイレの良さは少し違っていて、マイナス要素の排除や、補助的な後押しと言えば近いでしょうか。
「あのお店はトイレが汚いから人を連れていけない、やめておこう」「AとBどっちに行こうか…そういえばAのトイレはパウダーコーナーがきちんとしているから、Aにしよう」といったような、お店選びの最後の一手になるイメージです。
お客様に「また来よう」と思ってもらえるような店舗にするためにも、イメージづくりは非常に大切。そしてイメージづくりにおいて、トイレは重要なファクターです。トイレ空間を上手に活用した店舗設計をしていきましょう。
まとめ
店舗、特に飲食店におけるトイレ空間づくりの重要さについてまとめました。
多数存在する競合店舗の中で戦っていくと考えた時、店舗のトイレ設計がいかに大切かをお分かりいただけたと思います。
設計事務所や工務店とのやり取りでも、具体的に希望を伝え、予算内で最大限の効果が発揮できるよう、良い店舗のトイレとはどのようなものかという指針をしっかり持っていきたいですね。
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記事の監修・執筆者
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株式会社ライフワン 古川原
保有資格:
・2級建築士/
・第2種電気工事士/
・一般建築物石綿含有建材調査者/
・石綿作業主任者店舗設計施工.com運営担当の古川原です。施主様、店舗デザイン・内装工事・建築工事会社様にも満足いただけるよう皆様をサポートさせていただきます。
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